「小さく賭けろ! 世界を変えた人と組織の成功の秘密」 ピーター・シムズ 読了

ピーター・シムズ 「小さく賭けろ!      世界を変えた人と組織の成功の秘密」 (滑川海彦・高橋信夫 訳) 読了。
まあ、ちょっとずつ(=リスクが大きくなりすぎない程度のうちに)試して、その結果をフィードバックしつつ、大きなことをやれ、という話である。研究所での開発をするときには、このことは当たり前だった気がする。ところが、開発部隊と一緒になると途端に、先に丁寧に分析をし細かい仕様を決めてから開発にかかるようになる。大学ではプロトタイプで終わりにすることが多いから、別に当たり前のことなのだが。
ただ、これで考えさせられたのは、アジャイル的に短い周期で修正を掛ける中で、本筋を見失わないこと、大きな野望を持った中での細かい試作を繰り返すこと、というのが、陽には語られていないけれど、大事なポイントだということである。ここがぐらつくと、迷走してしまったり、早い段階で中止してしまったりすることになる。フィードバック時の批判に負けない、強いモチベーションが必要なのだ。
カリスマと呼ばれる人たちにはそのモチベーションを維持する力があるのだろう。つまりわがままを押し通すということだ。常に周りが「いいね」と言ってくれるわけではない。フィードバック時に批判(非難、難癖)があると、自分のような凡人にはさっさとプロジェクトを中止して批判を避ける方が、ずっと楽だと思ってしまうのだが、後になってみると「ああ、あれを続けておけばよかった」ということが出てくるような気がする。負け犬なのだが。

読書

Posted by yamanouc