遊水池の深さ?
コンデジが故障修理から帰ってきたので、早速外出に持って出たら、こんなものに出くわした。
第1遊水池は、この看板によると水深が1.995mで、さすがに富士山の高さとは行かないが、相当に深い。街中でそんな深い水溜が? もちろん、それはなくて、水深約2メートルの貯水槽なのであろう。 非常に好意的に解釈すれば、「非英語圏式表記」(たとえばウィキペディアの「小数点」参照)で小数点をコンマで書いたもの、と解釈できる。それにしては、貯水量と貯水面積は小数点がピリオドになっているので、不統一。
第2遊水池は、本当に深さが(たった)5.5cmなのだろう。確かに、貯水面積×水深が貯水量と合っている。水深5.5cmと雖も、面積が1462.5平方メートルあれば、貯水量も79.8立方メートルになる、というわけだ。ところで、この貯水量は実際どのぐらいに当たるのだろうか?これらの遊水池は、雨がたくさん降ったときにいっぺんに雨水が下水に流れ込んであふれたりしないように、徐々に放水するように作られている。つまり「バッファリング」をするのである。では、降水量と体積の関係は?
たとえば降水量が毎時間20mmの時は、どの面積をとっても1時間当たり深さ2cmの水が降ってくる(毎時降水量が20mmはかなり土砂降りだろう)。遊水池と同じ面積に対して毎時間20mm降ると、遊水池は水深2cmの水が貯まる。水を集める面積が半分なら、貯まる水の量は半分になるし、水を集める面積が2倍ならば、貯まる水の量は2倍になる。その遊水池へ注ぎ込む雨水管が集めてくる面積が、遊水池の面積の10倍の15,000平方メートル=4500坪=60坪の戸建住宅75戸分とすると、時間雨量20mm×2.7時間で一杯になる計算である。 というわけで、集中豪雨でいっぺんに大量の降水がある場合でも、それなりにバッファリングできる、と言う勘定になる。しかし、第1遊水池に比べると第2の貯水量はずいぶん少ないな。あとは、地域の面積に対してどれだけの容量の遊水池を準備できるか、にかかっているというわけ。