TechCrunch Japan: 「初めて」を懐かしむのは歳をとった証拠、あるいはスティーブ・ジョブズが本当にもたらしたもの
TechCrunch Japan: 「初めて」を懐かしむのは歳をとった証拠、あるいはスティーブ・ジョブズが本当にもたらしたもの.
「放っといてくれ」とも言いたくなるが、確かに懐古趣味は歳を取った証拠である。
最近、受け持っている授業(コンピュータアーキテクチャ、オペレーティングシステムなど)で「歴史」の話をする時に、ついつい懐古に走ってしまうのだ。自分の知っている中での初めの頃のコンピュータの話をしてしまう。たとえば、ディスクリートパーツで作られた回路や磁気コア、磁気ドラム、など。どうしても「これらのものがなぜ出てきたのか、なぜ新しい技術が出てきたのか」などを、熱っぽく語ってしまうのだ。
歴史、つまり技術の進歩を知っておくことは大事だと思う。先輩方が何をしたくて何に苦労をし、その結果こんな技術が出てきた、という話は、若い人が次の技術を考える時の何かの役に立つだろうと思う。 でも、それは独りよがりなのかもしれないな、と最近思うのである。 別に、ストアドプログラムがなぜ必要かを敢えて言わなくたって、「プログラムがメモリ中にあって、それが実行されている」だけでもいいのかもしれない。 コアメモリなんて要らないだろう。(教科書に写真が出ているが。) 仮想記憶だって、要らないかもしれない。 アーキテクチャもOSも、要らないのかもしれない。 というか、学生は「何だこの昔話は?」と思って聞いているのかもしれない。 学ぶ積極的な理由が、若い彼らには見えないかもしれないのだ。 一生懸命タスクスイッチをして、CPUのアイドル時間を減らして、CPUの稼働率を上げて、などということを言っても、PCは使わないまま放っておくじゃない、と言われて終わるかも知れない。
アーキテクチャやOSの授業をどうしよう?