WIRED.jp: アップルやフェイスブックが採用する、フュージョン・アイオーのメモリー技術 ~ メモリ構成は使い方(OSとアプリとの組合せ)と対応すべきだということか

WIRED.jp: アップルやフェイスブックが採用する、フュージョン・アイオーのメモリー技術.

コンピュータの使われ方がユーザによって多様化した結果、システムの構成を使い方に対して100%チューニングすることが無くなった、ということなのだ。 一方でシステムの性能がギリギリのチューニングを必要としないほど高くなったということもあるだろう。 とにかく、ギリギリまで性能を稼ぐという感覚や技術がだんだんになくなってきたような気がする。

しかし、特定の用途では、いろいろと工夫がされている、というのがこの記事の背景であり、何もそこらのシステムの取るようなメモリシステム構成を、アップルやフェイスブック(や他の大規模なサービスシステムでもおそらく)が取らない、むしろそれ専用の構成を開発してもペイする、という世界があるということだ。

こういうチューニングスキルの世界は、否定する人も多いのだが、2つの点で大事だと思う。 1つは、考えが固定してしまって環境の進歩に対応できていない場合があること、そしてもう1つは、新しい技術の発展のタネになるであろうこと。

前者の点は、メモリデバイスのスピードが日々進化している中で、そのバランスが変わっているわけで、たとえば仮想記憶にせよキャッシュにせよ、設計時に考えられた比率とは違ってくる可能性がある。CPUクロックとメモリスピードの比率だってどんどん変わる。その割にハードディスクはあまり早くならないなぁ。 比率が変われば設計の前提が変わるのだから、作りも変わって当然なわけだろう。 今回はSSDみたいな新しいデバイスが出てきたことがきっかけになるわけだが。 もしSSDが容量も寿命もハードディスクを置き換えることになれば、「ファイル」も置かなくなるかもしれないし、クラウドにデータを置くようになってきたのは、そんな線上の変化なのかもしれない。

後者のポイントは、「メモリ階層とはこういうものである」と教えてしまっている我々にとって、もしかすると大きな警鐘を鳴らしていることになるのかもしれない。 だって、データベースの授業でリレーショナルモデルでござい、SQLでござい、という講義をするわけだが、何のことは無い、世の中はnoSQLだの分散だの、違う世界に踏み出しているではないか。 コンピュータ系の大学のセンセは難しくなってきたなぁ。

日々

Posted by yamanouc