100SHIKI: 企業向け「ちょっとお茶しませんか」マッチングサービス『COFFEE WHO』 〜 この手のサービスが日本でどう根付くか?

100SHIKI: 企業向け「ちょっとお茶しませんか」マッチングサービス『COFFEE WHO』.

マッチングサービスは、何らかの意味で人と人を結びつけるサービスのことで、ネットで登録した希望者を結びつける。今までは紙に書いて掲示板に貼ったり、間に紹介する人が立って結びつけていたものを、ネットを使って希望者を結びつけるので、範囲も広がるし、仲介する人を知らなくても良いというわけである。

ここに出ているのも「ちょっとお茶」という、肩肘の張らない、大仰でないレベルの結びつけであるが、他にもちょっと一緒にランチなどというのも見た記憶がある。しかし、自分にはあまりやってみたいという感覚がない。なぜなのだろうか?

1つは、人との付き合いの仕方である。人間が古いせいか、仕事でつきあわなければならない人やきちんとした紹介のある人以外とは、せいぜい挨拶程度はするが、それ以上の話に入らない、という感覚がある。これは、人脈がビジネス遂行上で必須な人たちにとっては考えられないことのようで、ビジネス啓発書、とくに営業や独立ビジネスを狙う人向けの本には、必ずと言っていいほど、人に会う機会を貪欲に求め、そのつながりを貪欲に太くせよ、と書いてある。たまたま(?)自分はそういう仕事をしていない、という言い訳ができるのだが、いいことかどうかは分からない。自分の仕事や言い分を広めるためには、もしかしたら、いや間違いなく、売り込む営業は大事だろうから。

2つ目は、お茶とかランチとかの扱いである。自分自身には、ランチは人と話す機会と言う認識が無い。もちろん、話をしながらのランチはそれでいいし、同僚・仲間とランチにいくのも好きだ。けれど、仕事を円滑に進めるために一緒にランチをするとか、人と会うことを求めてランチに行くと言う感覚はなかった。米国ではビジネスランチという習慣もあるらしい。「らしい」というのは、自分自身は米国にいた頃はビジネスを意識していなかったし、スタートアップを自分の世界だと思っていなかったから、相手に指定されない限りはランチでミーティングをするということはしなかった。楽しい話ならともかくも、きりきりと胃の痛むような話をしながら、ランチを食べて体によいものなのだろうか? そこまで時間を取れない生活がいいものなのだろうか? という言い訳をしたい。

ネット時代の人付き合いのあり方も影響しているのだろう。ネットのおかげで、一般に人付き合いが距離を超えて広がったのかなと思う。そのため、ともするとメールで済ませ、実際に顔を合わせない範囲の知り合いが増えているのかも知れない。遠くて直接合えないので、メールで話をすることになるのか。その一方で、直接会える距離にいる人でも、話をせずにメールで済ますということにもなる。隣に座る同僚に声をかけるのでも、代わりにメールやチャットで話すということも聞いた。この間隙を埋めるものとして、直接会う機会を提供するマッチングサービス、という役割を果たすことになるのだろうか。

いずれにせよ、人に会うことはよいことだ。だれかれとなく多くの人と話をして、いろいろな考え方に接することだけでも、人は大きくなれるしビジネスも伸びるということだろう。