TechCrunch Japan: 未来の大学の姿をラジカルに変えるカリフォルニア州のオンライン教育パイロット事業 ~ 本格的に動き始めるのか?

TechCrunch Japan: 未来の大学の姿をラジカルに変えるカリフォルニア州のオンライン教育パイロット事業.

今日(米国時間1/15)、世界最大の大学組織であるCalifornia State University(カリフォルニア州立大学)が、そのキャンパスの一つで、下級クラス(lower-division)〔≒学部/学科ごとの教養課程〕を学費150ドルのオンラインコースとして提供するパイロット事業を発表した。

更に曰く

それどころか、若者たちの教育に費やされる数十億ドルの経費と、多大な教育努力にもかかわらず、SJSUを卒業できる者は入学者総数の半分にも満たないわずか48%だ。

事態にうんざりした知事のJerry Brownは、人気の高いオンラインコース提供プラットホームUdacityとSan Jose State Universityとの提携による、超低コストの下級クラスおよび補修クラスのオンライン化を承認した。その、代数と統計学のコースから成る小さなパイロット事業は学生数を300名に限定、その半分はSJSUから、残る半分は高校やコミュニティカレッジ(短大)からとする。

そう、UdacityやEdXの話は、随分あちこちで取り上げられている。(このブログでも何回か取り上げた。) どうも、今まで散々提唱されたがうまく行かなかった、いわゆるE-ラーニング運動とは何か違う感じがある。中身はどうかと言って変わりは無いように思うのだが。曰く

 教職員たちはオンラインコースの質を気にしているが、しかしわれわれの教育システムの現状は、機械的な記憶をテストすることが中心になっているので、クラスはどんなに大規模にもできるし、教師の対話能力などに左右されない。2009年に教育省が行った調査によると、“授業のすべてまたは一部をオンラインで受講した学生の平均的な成績は、同じコースを人間教師のいる教室で受けた者よりも良かった”、とある。

と言い、

 さらに今月は、MITとHarvardが合同で行っているオンライン教育のパイロット事業EdXにSJSUのクラスを混成し、世界最高レベルのオンラインレクチャーを提供したところ、評価点C以下を取ってしまう学生の数が31%減少した、と報じられている。

最後には、

言い換えると、コンピュータが人間教師をリプレースすることは可能であり、実際にすでに成功している。

とまで言っている。何なのだろう? 更に著者はこれによって、このレベルの教育の寡占化が進むこと(上質のコンテンツを小数の期間が提供する。なぜならオンラインで学生数の規模の制約がないから)、その結果大学は昔風の、ごく限られた研究者を目指す学生が研究者に指導を受ける機関になること、を予想している。 それならそれでも、私はいいと思うのだが、どんなものだろう?

 

 

教育, 日々

Posted by yamanouc