友達が昔の録音テープを発掘してくれた

高校のときの同級生のK君が、家の整理をしていたら見つけたと言って、昔の録音テープを送ってくれた。高校の頃(69年10月26日)の発表会の録音だ。 感謝感謝。

感想その1。 元のテープはオープンリールで、それをカセットテープにダビングしてくれた。 当時はオープンリールだったのだろうか? あまりよく覚えていない。 カセットテープもほとんど見かけなくなってしまった。 MDも無くなって、急速にiPodとかメモリーとかそういう媒体になってしまった。 こういうものは、どうすれば聞けるのだ?

幸い、カセットテープは古いラジカセ(この言葉も使わなくなって久しい)があったので、再生することが出来た。 とにかく一旦ディジタル化して保存。

わき道へそれるが、音(オーディオ)にしても、動画(ビデオ)にしても、余りに急速に変化してしまって、古い記録が記録として残らなくなってしまった。 自分たちが子供の頃の記録は白黒写真だが、これは残っている。再生も問題ない。その後のカラー写真はそろそろ怪しい。色が変わっているものがある。 子供たちが生まれた頃はビデオがVHSがそろそろくたびれて、ハンディビデオカメラには小型の8ミリビデオが使われていた。その頃のテープも残っているが、もはや再生機が無い。 そのあと、ディジタル化が進んで、同じような大きさのビデオカセット(DV)が使われたが、外部接続はアナログビデオだし、画像の大きさも今どきの横長ではない。アナログビデオが繋げられるテレビ受像機も、もうほとんど見かけなくなってしまった。

こうなると、写真はものとして残るので強い。祖父母の肖像はきれいに残っているし、曽祖父の写真でも何とか見ることが出来る。 それ以前は写真が無くて、肖像画で見るしかないようだ。それはそれでいいものだ。 他方、音は残すのが難しかろう。 いっそのこと、昔のSP盤のような機械式のレコードなら、何時までたっても再現できるのかもしれない。

感想その2。 その当時、ピアノの弾き方が端正であることに驚いた。 まじめに練習していたと見える。 今や、ほとんど練習をしないからまともに弾くことは出来ないだろうが、大学以降はまじめな練習を怠ったので、弾き方が汚くなっているように思う。 よくないね。 ただ、高校のときはその代わり、どちらかというと色気が無い、というか、単調である。聞いていておもしろくも何とも無い。 これもよくないね。 両立は出来るのだろうか、と思った。

曲はショパンのバラード3番。あの頃は、弾くのははショパンが好きで、聴くのはロマン派のオーケストラ曲が好きだった。若かったのだろう。ベートーベンのソナタを弾くのも好きではあったが、ブラームスは余り好きになれなかった。リストは難しすぎた。

先日どこかで、バッハのカンタータは「明るいところがいいんです」という説明を読んで、聞いてみたら、確かにとても明るく感じた。高校生の頃は、バッハは暗い感じがして好きになれなかった。同じバロックでもテレマンの方が明るいような気がして好きだったし、それより何より、ロマン派が好きだった。 暗いというのは間違いだったのか? それとも、インベンションや平均律がいけないのか? そう、インベンションは小さい時にいやいややらされたので、その感情が刷り込まれてしまったのかもしれない。