日経ビジネスOnLine: 優秀な新卒社員、複数の会社で採用するというのもアリ?

日経ビジネスOnLine: 優秀な新卒社員、複数の会社で採用するというのもアリ?

「アプリ甲子園」は先日どこかで見たとき、小学6年生がRPGと計算学習を組み合わせたアプリを作ったと言うので感心した覚えがある。感心すると同時に、「こいつの人生、ちょっとだいじょうぶかな?」とも思った。 ときどき凝り固まってしまう若者を見るからであるが。

さて、この記事(カヤック代表取締役の柳澤氏が書いている)では、こういう若者の「就職」を考える時(もちろん、もう少し育ってからだけれど)、「一社で独占していいのか」と問いかけている。独占すべきではないと言えるかもしれない。

確かに一社で独占し、その会社の方針に合った製品を作るためだけに彼/彼女の才能を使うのなら、それは反対である。かな?その辺も微妙かもしれない。トータルで見て「世の中」にもっとも役立つことができるのは、もしかすると、とある(市場で力のある)会社の方針の製品を作ること、と言えるかもしれない。それがいかに彼/彼女の趣味に反していても。 昔の巨艦巨砲時代のメーカー企業、たとえば世界のコンピュータを支配してきたI社とか、日本の電話を支配してきたN社とかは、先進的な技術を研究開発しそれを世の中へ届ける役割を果たしてきたが、一方でその経営方針によって道筋がある程度制限されることもあった。

しかしもう一方で、彼/彼女が独立して何かを提案し作り、それをフリーな立場で世の中に問い、それを世の中が認めるかどうかで価値が決まる、と考えることもできるだろう。特に今の時代は昔と違って、起業も敷居が低くなったしクラウドファンディングによって投資を集めることはできるようになってきたから、起業の才覚があれば自分で思うように技術を生かすこともできるだろう。 または、ビジネスをする気がないとしても、企業と(雇用ではなくて)対等に近いパートナーシップを結んで技術を世に出すこともできるだろう。

昔の方式の場合、どの技術を生かすかを大企業や政府が目利きして、資金と人材を投入していた。最近の起業やクラウドファンディングは大衆が採用を判断する。政治の世界で言う、プロによる政治vs大衆による政治の対比に似ているような気がする。それぞれに利点と欠点があるのだろう。