「謎のチェス指し人形『ターク』」 (トム・スタンデージ) 読了

トム・スタンデージ 「謎のチェス指し人形『ターク』」 (服部 桂 訳、NTT出版)  読了

面白かった。その昔人工知能なるものが研究されていたころ(60年代か?)、確かミンスキーだったかと思うが、箱の中に人がいるのかコンピュータが要るのか区別できなくなったときが、人工知能が出来た時だ、と言ったように覚えている。まさにその問題である。
ただやっかいなのは、人間のふらふらしたところを機械がまねるのは意外に簡単にできるのだ。昔流行った?シーマンというソフトもそうだし、もっと昔にはコンピュータにログインした時にあらかじめ準備しておいたメッセージをランダムに選んで出すだけでも、結構それらしく見えた。最近のツイッタ-環境でも同じようなものが見られる。
チェスという意味では、何年も前にIBMのコンピュータがチェスの世界チャンピオンのカスパロフを破ったことがあるし、ここ2~3年では将棋でプロを破るレベルに至っているようだ。さすがに囲碁は場合の数が多すぎて、まだコンピュータでは追い付かないようだが。また、IBMのクイズ当てシステムはなかなか強いのだそうで、人間より早く、しかもほぼ正しく、答えるのだそうだ。
そのような中で、もう一度、コンピュータが何が出来ればよいのか、何の面で人間の肩代わりをできればいいのか、(別に肩代わりをしなくてもいいのだが) かんがえてみるのもよいのではないか。

読書

Posted by yamanouc