庭木を手入れする
今夏の暑さもようよう峠を越え、朝晩は涼風を感ず。庭の百日紅月桂樹大いに繁茂し、隣邸に枝を伸ばすに至り、刈枝す。本来は晩秋に剪定す可きなれど、百日紅は部屋前に大きなる陰を作りて、落葉するまで部屋前の風景を暗くする。月桂樹はただ隣家への差障りを遠慮するのみ。
本宅へ越し来りより僅十余年、庭木を入れて七・八年なれど、枝よく繁茂し樹幹混雑して、やや過ぎたる感あり。庭木を抜き捨てる訳にもゆかず、それにても幾本かは植木屋をして引き取らせしが、未だに過ぎたる感拭えず。先考本宅へ越したる折樹の繁茂するを嫌いて なるべく植えぬをよし と言いおられしが 母庭の枯れたるを嫌いて植木屋を呼び種々植えられたるがかく繁茂す。
足腰痛んで、外出儘ならず。