「カラシニコフの死とAK-47と核兵器」(日経PC online)

松浦晋也氏の「カラシニコフの死とAK-47と核兵器」という記事の、3ページ目の最後の数段落が印象的だったので、引用してみます。 記事は、世界的に広く使われた(軍用)小銃AK-47を作り出したミハイル・カラシニコフ氏が亡くなったという話で、ご存知のとおりAK-47は「作りやすく、壊れにくく、故障しにくく、扱いやすく、確実に動作するという特徴を持って」いるので、共産圏諸国を中心に軍用として広く普及し、その後(安価に複製できるところから)ゲリラや反政府運動に広く普及しました。松浦氏はこれを家電製品に例えています。

軍用品として、また工業製品として非常によく設計された製品を生み出したカラシニコフ氏が、その普及の結果、次のように考えていたというのは、初めて知り、感銘を受けました。

 こんなエピソードがある。日本では、10年程前から、ミリタリー趣味の一種として“萌えミリ”という分野が勃興した。女性モデルに軍服を着せてモデルガンを持たせるというあたりから始まって、兵器を可愛い女性に擬人化したイラストを描いてみたりとか、そういう分野だ。そんな萌えミリの関係者が、ロシアに晩年のカラシニコフを訪問してインタビューを行った。兵器を持った娘の表紙の本を差し出して“こんなものを作っていて――”と説明したところ、カラシニコフ老はすぐさま反応した。

「子供に銃を持たせちゃいかんよ!」

当たり前の常識をわきまえた優秀な知性の持ち主が、努力の限りを注ぎ込んで作り上げた最高の道具が、最悪の結果を引き起こしたという歴史の皮肉を、ただ心の片隅にとどめておきたいとだけ思う。

技術者の端くれとして、最低限とにかく謙虚でありたい、と思います。

日々

Posted by yamanouc